いつも胸やけ

ムーミンと夫と子どもと暮らしています

歌人見習いが車の免許を取るまで日記 その5

最近あちこちで咲きほこる、木香薔薇。いつも見つけるたびに、スクランブルエッグみたいと思っています。

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仕事を辞めてから、お昼を家で食べることがほとんどで、ひとりだと手持ち無沙汰なのもあって食べながらテレビをつけていることが多い。ワタシがよく見るのはヒルナンデスなのだけど、今日は20〜50代男女に聞いた「休日に家族サービスしてそうな男性有名人は?」というランキング型クイズをやっていた。(色々つっこみたいテーマだけれどそれは置いておいて)、マチャミが杉浦太陽!と答えていて見事杉浦太陽は3位にランクインしていたのだけど、そう、杉浦太陽

好きな訳では全然ないのに、自宅浪人時代に毎日、いや一日に二回は取り憑かれたようにワタシは杉浦太陽のブログをチェックしていた。「太陽の、メッサ◯◯食べ太陽」という、今でこそ杉浦太陽イクメンパパの仲間入りだけれど、当時はグルメ中心のブログだった。

いい意味で内容のない、というか「今日はどこどこでロケでした〜こんな美味しいもの食べたよ!でも早くうちに帰って妻のごはんが食べ太陽!」みたいな感じでなぜか当時はこのライトなほのぼの感にものすごく癒されていたのだった。

大学に入ってからはめっきりブログも見なくなったし、多分あまり頻繁に民放に出ている人でもないのでそんなこと、忘れていたけれどとても久しぶりに杉浦太陽、という名前を聞いて当時のことがワッと思い起こされた。

多分あの頃は杉浦太陽にすがるほど、ホントになにかに取り憑かれていたのだと思う。

さて教習所では、はじめての実車

そもそも免許、わたしには無理という人のなかに、「運動神経ないから」という人はよくいるけれど、それどころかまたよく聞くのが「マリオカートが下手くそだから!」というもの。
スタート後すぐに落っこちてキノピオに救出されるも逆走していつもビリ、みたいなマリオカートがめっちゃ下手、という自覚の人はそのままなんとなく、自分は運転に向いてないのかも、と思ってるのではないか。もちろん、んなこと気にせずちゃんと免許取った人もいるだろうけど。

なにを隠そうワタシも運動神経もなければマリオカートも下手くそなのだけど、でも、実際の運転には、まあ運動神経は置いておくとして、とくにマリオカートなんてものの巧拙は関係ない、絶対ないとはじめて運転席に座ってハンドルを握ったときにものすごい実感として思ったのだ。

最新のマリカー事情についてはよく知らないのだけど、自分が今までやってきたマリオカートってのは、なんていうか、自分が選択したたとえばヨッシーをちょっと俯瞰するかんじで操作する、というもの。つまり第三者的操作だった。だからだ。だからアレですよ、ワタシはマリオカートが下手くそだったんだ。だって運転してるのはワタシじゃなくてヨッシーなのだから。

翻ってこの、まさに今この運転席に乗っているのはマリオでもルイージでもピーチ姫でもない、その他の誰でもないワタシなのだということ。
ハンドルを握るあのしっとりとした感触を感じることができるということ。それはつまり、人ごとではないのだということ。そのことに気づいたとき、ワタシはああ、こういうことなのかと涙が出そうになったのだった。ワタシはヨッシーじゃなかった。ワタシはワタシだったんだ。

運転するのにまずもって必要なのはひとつ、このリアルさの享受というのがあるんではないの、と思う。

マリオカートってのは、あれは運転のシュミレーションというより、運転するのを見守るシュミレーションゲームだろう。

だからマリオカートが下手くそで、運転免許を諦めていたみなさん、大丈夫、あなたは誰より正直だ。あんな他人事な運転、集中できなくて当たり前だろう。あなたはマリオではない、ルイージではない、ヨッシーではない。あなたは、あなたは、ただただあなただ。

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その実感がワタシに、そしてあなたに降りかかる時、われわれははじめてひとつの呪い、マリオカートの呪縛から解かれるのだと思う。

アレ、実際にはじめて運転したときのこまかな感想を書こうと思ったのに、そこまでゆきつきませんでした。次回に。

そして杉浦太陽はもちろん今も応援しています! ビバ!杉浦太陽

ちなみに昨日の晩は煮込みハンバーグでした。

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