いつも胸やけ

ムーミンと夫と子どもと暮らしています

元気ですか

 ダイニングテーブルから窓の外を眺めるのが好きで、午前中ならだいたいさっき干した洗濯物が揺れている。自分のブラジャーが二つ、風にそよいでおり、不思議な形だなと思う。

 秋の日の台風一過 半分に折ればくす玉のようブラジャーは

という短歌を作ったことがある。いつも思う。くす玉みたいなもんを自分の胸にのっけている。開けた窓からは小学校の中休みの終わりを告げる校内放送、竿竹屋の音、ゴミ収集車の音、何よりここ数日の風が心地よく、つくづくここから外を眺める、というより風に翻る洗濯物やカーテンを眺めるのが好きだ。ほんとうは書かなければいけないのだが、実際に書いている時間よりどう書こうかなあと思いながらこうしてぼんやりしていることの方が多い。


 朝、百万年書房北尾さんからメール。昨日の八戸ブックフェスで『せいいっぱいの悪口』が30冊完売したとのことで、追加でサイン本を作らせてもらうことになった。もうすぐ刊行して1年になるが、まだまだじわじわと新たに手に取ってもらえているようでとてもうれしく、ありがたい。11月の文フリ東京はもちろん、10月の文フリ福岡ももしかすると現地に行けるかもしれず、楽しみ。文フリ福岡に行ったのはコロナ前の一度きりで、そのときは自分の本を出してもらえるなんて思いもしなかった。
 #本のまち八戸ブックフェス でツイート検索すると写真もたくさんで楽しそうで行ってみたくなる。八戸、というか青森といえば馬場のぼる、そういえば昨日の夜、子どもに読み聞かせで『ぶたたぬききつねねこ』(馬場のぼる)を勧めたが却下されたのだった。それにしても、朝眺めるTwitterのTLは動きがなく、というか日常の瑣末なことを気軽につぶやく人は減って、Twitterはとっくに終わっているのかもしれない。みんなどうしているのだろう。会えなくても、SNSが更新されれば勝手にその人のいまを知れた気がしていたが、「会わなくてもお互いTwitter見てるもんね」と言い合う、そんなこともなくなって、みんなの日常がまた見えなくなってしまった。それが普通だったはずなのだけど、そういう自分とて全然つぶやかなくなった。でも宣伝はどうしてもTwitter頼りだし、宣伝しかしないつまらないアカウントになったな、と思う。でもムーミンは元気だし、いまも目の前にいます。
 れーちぇること永井さんがthe letterを始めていて、Twitterに籍?を置いたままみんなやっぱそういう方に以降していくのかなあ、まあブログもだから、こうして書いてみようと思ったのだった。永井さんもthe letterで書いていたけど、連載や書き下ろし原稿など、「書かなければならないもの」があったとしても、それとは別に気軽に書ける場があるといい。わたしの場合、日記すらそれが書き下ろしの原稿になって、もっとばらばらでとりとめのない、いや原稿として書く日記とてばらばらでとりとめのないことこそ書いているつもりでも、もっと。峻別なく、思ったことはあって、それをすべて残すことを是とは思わないが、なんとなく撮り溜めてだれにも見せない写真がたくさんある。
 ちょっとだれかに聞いてみたいこともある。そう、子どもを通わせている保育園で度々勧められてついに観念して購読するようになった『ちいさいなかま』という保育雑誌がなんだかすごい。そもそも、全然乗り気ではなく、だってこんなの毎月届いても読み通せる自信もないし、と思ってなんとかスルーしてきたのだったが、ある日先生から「ほりさん、読者モニターやってみない?」と囁かれ、それはつまり毎月雑誌の感想を編集部に送る、ほんの少し謝礼もあるよ、ほりさんが適任と思って、ということだった。驚いたのはいったいわたしが何某かの物書きであることをどこで見抜いたのか?ということ。もちろん就労証明書は提出しているが、それについてどの先生にも話したことはない。じゃあもういいですよ、やります、やらせてください! と半ばやけになって購読しはじめた『ちいさいなかま』、やっぱりいざ届いても読む余裕もなく放置していたのだったが、いよいよ今月のモニター通信の締切日を控え、読まなきゃ書けないのでなんとか読み始めたのだが、これがすごい読み応えではないか。特集の「ヘトヘトです。仕事と子育て」は保護者のリアルな疲弊と、保育者かつ保護者のこれまた引き裂かれるような「保護者にはこんな風に保育したらいいですよ、と話す立場なのにそんな子育てはできていない」という嘆き、あるいは他の連載には「信仰宗教の信者になぜ、女性が多いのか?」「子育てと憲法」とか「ジェンダー・ギャップと寿命の関係」とか、ものすごく社会的な、というかがっつり政治にかかわる内容も多く、それでいて保護者、保育者の生の声もたくさんで、考え込んだり泣きそうになったり、何この雑誌、、これで440円、ちいさいなかま社、、応援したい。俄然モニターとしてのやる気が出るのだった。そう、それでこの『ちいさいなかま』こと『ちいなか』って有名なのだろうか?ご存知の方いますか?と、気になったのだった。

 さっきトイレに入ったら、開け放したドアから(子どもが生まれてからトイレのドアを開け放したままにする、というのが常になってしまった)向かいの部屋へ続く道の、その動線部分だけきれいにワックスが剥げていて、ここをもう数え切れないくらい行ったり来たりしている、とトイレに入るたびに思うのだけど、もちろん出てしまえば忘れる。忘れていいことを、こうして書いてみる。うちの向かいの小学校は運動会の練習も佳境なのか、「後ろの3,4年座る!」「先頭の田中さん、砂いじりしないで、ダッシュ!!」など聞こえてくる。

 と、ここまでスマホのメモを使って書いたものをはてなの下書きに流そうとしたところ、友人のブログ更新通知が。友人にブログを勧めた人間として、わたしが出てきている。Tさんに勧めてよかった。自分が書いている、と話すときにはよく人に書いてみたら、と勧めてしまう。Tさんの文章はTさんが話しているみたいで、わたしはTさんのお喋りが好きなので遠距離ないま、ブログ更新がとてもうれしい。

 https://nabewata-uminapo.hatenablog.com/entry/2023/09/24/225922

 なんとなく撮り溜めていた写真。

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ヨーグルトメーカーの付属品であるこの長い容器がワインクーラーにぴったりなことに歓喜した金曜日。

 
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 おばけの子ども

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 そして『ちいなか』!!

 

追記:ブログを読んでくれた友人(大学の後輩)から届いたLINEが面白かったので許可を得て引用させてもらいます。「お久しぶりです、お元気にされていますか?さっきほりさんのブログを読んでいて、写真が出てくるまで雑誌の名前を"ちいさいかま(釜)"だと思って読み進めており、渋いなあと勘違いしたまま納得していました。
正しい名前が分かると、謎の納得をしていた時には戻れなくなりますね…。」

ちいさいかま…ふふ。