いつも胸やけ

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歌人見習いが車の免許を取るまで日記その13

ついに明日は仮免の終了検定だ。今回はホントに教習のはなし。
(写真はとくに今回の話には関係のない実家のねこ、かしわです)

さて検定は技能と学科の二つ。技能ではこれまで第一段階で習った右左折や進路変更、坂道発進やS字(細い道幅をS字にくねくねと脱輪せずに曲がる)やクランク(かくかくと屈折した道を脱輪せずに曲がる)などひと通りの項目を場内のコースに従ってこなしてゆくもの。
はじめの持ち点100から減点方式で70点が合格ラインなのだそう。

そんで検定を控えた今日は「みきわめ」という教習で検定前の総復習ならぬ検定受けてもいいかどうか!どうかな?受けられるかな?をまさにみきわめてもらう検定前最後の教習だった。みきわめは担任の指導員以外、ということになっておりはじめての人だとまあそれなりに緊張する。ちなみに検定もまた違う方が行うらしくこれまた緊張するではないの。

明日の検定をふまえ、場内を回りながらこれまで習った項目をおさらい。どれも及第点といったところか、指導員はノーコメント。

「じゃあ次の交差点直進したらもう一度S字行ってみましょう。その次クランク」

第一段階の項目のなかではおそらく、S字とクランクいわゆる「狭路」はそれなりに難関、とされている。しかしなぜかワタシ、ほかの項目はそうでもないのにこの二つだけは良くできるのである。車体いっぱいの道幅をくねくねとこともなく曲がる。担任のI先生も普段はあまりほめてくれないのだけれど、狭路については「いいですネ、問題ないですネ」と言ってくれていた。一度目の狭路はどちらもするすると成功。二度目だってチョロいもんだ。


あれだろうか、やはり感覚。

どうやらワタシはこのはじめてやってみることの「なんとなくわかってしまう」感覚というものがあってたまーにそれが発揮されるよう。

たとえば。

小学校三年生、はじめて学校でリコーダーを習ったとき。
みんなが四苦八苦ピーピーやっているところ、ワタシはすぐに音階をマスターした。サブテキストとして渡されていたリコーダー教本「ピポピポ」も誰よりも早く完璧に終わらせた。いや、正確には終わらせるはずだった。

一曲吹けるようになる毎に先生に聞いてもらい、シールをもらって一冊クリアを目指す、という制度のなかで、ワタシは「ピポピポ」を一番に終わらすことができたのだけれど、当時はなんだか一番にしゃしゃり出るのはなぁなんて奥ゆかしい子どもだったのであと一曲、「聖者の行進」を残して一番が出るのを待ったのだった。ピポピポ。ほんとうは「聖者の行進」、ワタシは誰よりも上手く、早く、正確に吹けたのにナ。

そういう訳で?狭路についても久方ぶりにワタシの感覚は見事に冴えわたり、これまでほぼ脱輪することなくこなしてきたのだけれど今日。

なんとクランクで脱輪してしまったのだった。指導員はワタシが狭路マスターであることを知らないのでアーラまあくらいにしか思わなかっただろうがワタシはショックだった。確固たる重みを持ってワタシの手の内にあったはずの狭路の感� ��はみるみるうちに砂となり指の間からサラサラとこぼれ落ちてしまった。クランク。S字。ワタシを支えていた感覚とは。

「あの、今まで全然溝に落っこちたことなかったんですけど…!」
「うーん、でもさっきやったときも割とギリギリだったよ」

ナニー!ワタシの感覚って一体。感覚でいけてるぜと自分で思っていたことも、ほんとはギリギリの瀬戸際を走っていた、ってじつはこれまでのアレコレもそうだったのか?!なんてことまで思ってしまうくらい、それはショックなことだった。

そんなこんなで一応みきわめは終わり、さあ明日の検定頑張ってちょーだいね、と指導員は去っていった。

もうこれでいっぱいいっぱい、技能だけで十分重荷なのにもちろん学科試験もある。第一段階の14項目、45/50点で合格とのこと。
90点だ。テストで90点を取るってなかなか大変。これはさすがのワタシでも感覚で解くわけにいかない。ということでここ数日は黙々と問題を解く日々であった。問題はすべてマルかバツの二択である。

たとえば、

「運転者は、自分が交通規則を守っていれば、相手の立場などあまり考えなくても事故を起こすことはない」

とかいうモラル系問題であれば簡単。答えはもちろんバツである。

しかしまた他方、

「片側二車線の道路では、どんな車でも左寄りの車両通行帯を通行し、右寄りの車両通行帯は、追い越しや右折などのためにあけておかなければならない」

とかいう微妙な問題もある。「どんな車でも」ってのが難しい。現代文の選択肢問題なら気をつけなければならない危険なワードだ。フウム。すべての車、なんて言っちゃっていいのかなぁ。緊急車両は?
でもこれはマル、なんですねぇ。どんな車でも左寄りの通行帯を通行します。

とかを9割正解しなければならない。これはなかなかですヨ。ちなみにワタシ、原付の免許を持っているのですが自慢ではなく、学科試験に落ちている。しかも二度目の受験のときはお金を払ってほぼ答えを教えてもらえる闇の塾に行って合格している。なので免許の学科試験、実質はじめての真っ向勝負。ワタシはひたすら問題を解いた。その数1000問は軽く超えているだろう。数えてないから分からないけど多分それくらいは解いてそう。うん。

そんなこんなで技能も学科も不安はありますが、明日は朝から頑張って仮免の終了検定を受けてきます。結果は乞うご期待。


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